夢魔（ゆま）は、夢の中に現れるとされる悪魔や妖怪の一種で、主に悪夢を引き起こす存在として知られています。以下に、夢魔に関するいくつかの代表的な存在を紹介します。
インキュバス
男性の姿をした夢魔で、特に女性の夢に現れ、悪夢や性的な幻覚を引き起こすとされています。中世ヨーロッパの伝承では、インキュバスが女性に取り憑いて妊娠させるという話もありました。
サキュバス
女性の姿をした夢魔で、男性の夢に現れ、誘惑や悪夢をもたらすとされています。インキュバスと同様に、性的な幻覚を引き起こす存在として知られています。
ナイトメア
英語で「悪夢」を意味する「nightmare」の語源ともなった存在。馬に乗った姿で描かれることが多く、眠っている人に乗りかかって息苦しさや恐怖を感じさせるといわれています。
モーラ
スラヴ神話に登場する夢魔。眠っている人の胸の上に乗り、息苦しさや悪夢を引き起こすとされています。特に子供や女性を狙うといわれています。
エフィアルテス
ギリシャ神話に登場する夢魔。眠りを妨げる存在として知られ、悪夢や不眠をもたらすとされています。
マー
ドイツや北歐の伝承に登場する夢魔。夜中に眠っている人に取り憑き、悪夢や息苦しさを引き起こすとされています。
バク
中國の伝承に登場する夢を食べる妖怪。悪夢を食べてくれる一方で、良い夢も食べてしまうため、必ずしも友好的な存在ではありません。
これらの夢魔は、文化や地域によってその姿や性質が異なりますが、いずれも眠りを妨げる存在として人々に恐れられてきました。夢魔の伝承は、人間の無意識や恐怖心を反映したものともいえます。